初めてはいつも
私は彼氏が8年いない。
別にそのことを自慢しているわけでもない。ただ、そのことを友達との会話や初めて会う人との会話の繋ぎにすると、くすっと鼻で笑ったり、ぐいぐい話題を広げたりしてくれる。基本自虐ネタの多い私にとってはなんとも使い勝手の良いツールなのである。
最後に人と付き合ったのは高校一年生の夏。中学校から3年間片思いをして想いを伝えた。彼の誠実なところ、自分を持っているところ、すこしつれないところが中学の私にとっては新鮮で好きになった。中学生な私たちは手を繋ぐのでいっぱいいっぱいで、それはそれは淡い清い交際だった。
ただ、
それも長くは続かず、お互い別々の学校ですこしづつ疎遠になっていった。そして高校初めての夏休み、彼から別れをつげられた。
悲しくて友達の家で泣いたのを覚えている。ただ高校生活に必死な私は、悲しみに触れている暇もなくいつの間にか彼のことは私の中から消えていった。
大人になった今でもたまに思い出すことがある。
彼と休み時間喋った男子トイレ。笑
一緒にデートした海。
手を繋いで歩いた雑木林。
初めてはいつも新鮮で楽しくてそれでいて儚い。